ドラマ

  • AppleTV+の作品が地味にどれも良い

     先日投稿した『F1/エフワン』の記事でも触れたのですが、僕はAppleTV+というサブスクリプション形式の動画配信サービスに加入しています。

     AppleTV+自体に加入したというより、Appleが提供しているサブスクのApple Oneというものに加入しているというのが実際のところです。これに入るとiCloud 50GB、Apple Music、AppleTV+、Apple Arcadeの4種類のサブスクを1200円で入れるのです。個別に入ると3000円を超えるはずなのでかなりお得です。僕はApple MusicとiCloudに加入していたので、個別ではなくApple Oneに切り替えたというわけです。

     ノーマークだったのですが、Apple TV+で配信されている作品が地味にどれも良いのです。最初はNetflixなど他のストリーミングサービスと違って、配信作品数が少ないように思いました。しかし、作品数が多ければ良いということでもありませんね。

     観た/途中まで観ている作品は以下のような感じ。

    • プルリブズ
    • 窓際のスパイ
    • セヴェランス
    • スティック
    • シュリンキング
    • チーフ・オブ・ウォー
    • ハイジャック
    • F1 / エフワン
    • ファミリープラン
    • ファウンテン・オブ・ユース

     他にもちょこちょこ観ている気がするのですが、ザッとこんな感じ。この一年くらいで結構色々見ました。個別に紹介したい作品もあるのですが、それは別の記事でやりたいと思います。

     ここにあげた作品は何かしらの賞を獲っていたり、ノミネートされたりしたものが多数です。日本ではあまり宣伝をしていないこともあってか知名度が高い作品は少ないと思います。しかし世間的な評価が高いものも多く、まさに粒揃いといったところです。

     これから加入する人には、やはりAppleOneに加入する形でAppleTV+も利用するのがオススメです。ただ、音楽サブスクとしてSpotifyを使っている人やそもそも使っているスマホがAndroidの人にはオススメしにくいですね。もうちょっと知名度を高くするために日本国内でもマーケティングを頑張ればいいのに、と思うサービスではあります。


  • ドラマ『イクサガミ』を見ました

     Netflixで配信中のドラマ『イクサガミ』を見ました。岡田准一主演の明治時代を舞台にした侍同士のバトルロイヤルものです。あんまり書くとネタバレになるので、まずは簡単な感想を箇条書きで書きたいと思います。

    • 面白かった
    • 山田孝之と玉木宏の使い方が贅沢でNetflixの力を感じた
    • 双葉が劇中で子ども子どもと言われているが、全然子どもに見えなかった
      • 原作では12歳らしいけどさすがに今後のシーズンを考えると12歳をキャスティングするのは無理だったか
    • 5話の殺陣のシーンは凄い
    • 最終話である6話の戦いのシーンはちょっと笑ってしまった
    • 伊藤英明のサイコパスの演技が凄い。もはや素もこっちに近い可能性ある
    • 久しぶりに滑舌がいい阿部寛を見た
    • 狭山進之介は気弱な青年を装ったサイコパスかと思ったら普通に気弱な青年でした

     イクサガミを見て思ったのは「たくさんのアウトローたちが参加する競技者かつ時代もの」は面白くなるフォーマットだなということです。金という欲望をたくさんの人間、しかも悪人が追う物語は巷に溢れています。やはり悪人は常人とは違う行動理念で動いているので、それぞれの特徴を描きやすいのだと思います。さらにゴールデンカムイもそうなのですが、そこに時代設定、舞台設定をプラスすることで、その作品の独自性や話題性をプラスできるというわけです。

     しかも、主人公以外も戦う必要があるので、主人公たちはこれこれをしていた一方その頃〜という形で別の登場人物同士の戦いも描けるのですよね。彼らの勝敗も物語の進行に組み込めるので無駄がありません。漫画とかでトーナメント戦が行われるのも、主人公以外の勝敗が後々、主人公に影響を与えるので読者の興味を維持しやすいということがあると思います。

     さらに、イクサガミは主人公が解決しなければならない問題も層構造になっているのが上手いなあと思いました。あまり戦力にならない娘を守りつつ生き抜いて東京に行くこと、自分の出身流派の兄弟を殺そうと追ってくる怖い阿部寛を倒すこと、蠱毒というゲームを主催している敵の目的を明かし、そして倒すことという色々な問題が層になって展開されることで、スリリングさが維持されていると感じました。一つの問題が停滞しても、別の問題の展開を進めてあげることで視聴者は飽きないという寸法です。

     このフォーマットの問題としては、物語が進行するたびに魅力的なキャラクターが死んでいくということがあります。その後、新しいキャラをどんどん出していくのか、既存のキャラクターをより深く描いていくのか、またはその両方をしなければならなくなります。とにかくキャラクターの死に様には力を入れておかないと言葉は悪いですが死に損になりかねないので難しいですね。

     ドラマが面白かったので原作も読みたいなと思い、調べてみると全四巻あるのですね。結構な超大作。ゆっくり読みたいと思います。


  • 今さら『半沢直樹』を追っています

    2013年に一世を風靡したドラマ『半沢直樹』。堺雅人演じる銀行員の半沢直樹が、行内の不正や陰謀に立ち向かっていくお仕事ドラマです。10年以上も前のドラマですが、なぜか今さらこの作品を見返しています。

    放送当時、大学生だった僕は日曜の夜はバイトか、もしくは飲み会に呼ばれてフラフラしていることが多く、始めから終わりまで丸っと観ていませんでした。ドラマを観た回数より、友人たちがやっていた「土下座しろー!やれー!」という最終話の物真似を見た回数の方が多いくらいです。

    ドラマを見た後、池井戸潤による原作小説『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』の二冊を読みました。前者は2004年、後者は2007年刊行です。バブル世代が90年前後に大卒で就職をしていることを考えると、彼らが30代後半から40代前半のときに『オレたちバブル入行組』が出たことになります。

    当時、働き盛りであり、仕事の家庭の両方で悲喜交々な世代だったであろうバブル世代にドストライクな内容だったことでしょう。ドラマのタイトルが「半沢直樹」になったのは、バブル世代だけでなく幅広い層をターゲットにしているからでしょう。ドラマ名で「オレたち花のバブル組」と言われても、当時三十代の氷河期世代の怒りを買うだけですよね。

    ドラマと原作小説の両方に触れたことで、ドラマの方で感じた違和感が解消されました。ドラマは見たことがあるという人でも、原作本を読むのもオススメです。

    例えば、ドラマでは金沢でネジ工場を経営している父が、銀行から融資を断られてしまいます。その後、ちょうど融資を断った銀行とは別の銀行の融資課の担当者が来て、直樹少年が工場にいる父のところへ案内すると、そこには自ら命を絶った父の姿が……というエピソードが展開されました。

    一見悲劇的なのですが、どうも劇中で描写される父の像(責任感があり、社員や家族のことを第一に考えている)からすると、絶望して全てを放り出して死ぬというのは違和感のある描写でした。それに銀行員が来る直前に死んでいるというのも何だか間が悪いというか、ちょっと間抜けな感じもあります。

    原作を読むと、なんと半沢直樹の父は普通に生きているんですね。銀行から融資を断られたのは一緒なのですが、別の融資してくれる銀行を見つけ、普通にネジ工場を営んでいるのです。これを読んで違和感は氷解しました。

    このようにドラマはドラマとして盛り上がるため、また1シーズンに納めるため色々と工夫をしています。大筋は一緒なのですが、複数の登場人物を一人にまとめたり、原作では後半に出てくる有名なセリフ「やられたら、やりかえす。倍返しだ」を一話から使ってみたり、非常にドラマティックになるよう再構成されています。

    ドラマは1時間かつ全10話という構成なので、毎週盛り上がりを作る必要があります。原作小説も次から次へと嫌な奴や陰謀が出てくるので盛り上がるのですが、ドラマはそれを極端にして毎回飽きさせないようにしています。「倍返し」というパワーワードをぶち込み、出演者たちの顔芸(良い意味です)も随所に入れる。インパクトと分かりやすさ、カタルシスはエンタメに欠かせないものだと改めて思わされました。

    まだ2020年のシーズン2は観ていません。これも原作小説と合わせて観たいと思います。